これはフィヨルドブートキャンプ Advent Calendar 2025 の24日目の記事です。
実はフィヨルドブートキャンプのAdvent Calendarに投稿するのはこれが初めてです。
自己紹介
@Y_uuuこと岡嵜(おかざき)です。
私は福岡県在住です。株式会社Fusicという会社でエンジニア(本業)をしながら、副業でフィヨルドブートキャンプのメンターをしています。 メンターを始めたのが2021年4月ごろ。早いものでもう4年半以上メンターをしていることになります。
ちなみに、本業でも新卒・中途入社社員のチューター(メンターみたいなもの)を複数回担当した経験があります。
この記事はなに?
エンジニア育成に関わる中で、
- 何をどこまで指摘すべきか分からない
- つい指摘が多くなってしまう
- 成長しているはずなのに、本人が自信を持てていない
そんな悩みを感じたことはありませんか?
この記事では、「跳び箱」をイメージして育成・フィードバックを行うと、うまくいく、という話をします。 *1

エンジニアを例に書いていますが、エンジニア以外のあらゆる仕事でも適用できるかもしれません。
「職場の新人の教育担当に抜擢された」「新人研修のある講座を担当することになった」という経験は、社会人をしていれば遅かれ早かれ訪れるものです。そうした方の参考になればと思いこの記事を書いています。
「跳び箱」をイメージするとは?
「跳び箱」とは上の画像のような、小学校の体育の授業で飛ばされるアレです。
個人差はあれど、みんなが最初から高い段数を飛べるわけではなく、練習を重ねるごとに飛べる段数が1段ずつ増えていったのではないでしょうか?また、よほどのブレイクスルーがない限り、「急に飛べる段数が2〜3段増えた」といったこともないはずです。エンジニアの育成もこれと同じです。
例えば、フィヨルドブートキャンプではRubyを学ぶカリキュラムがありますが、身につけて欲しいスキルを跳び箱の段数に例えるとこういった感じになります。(これは私が独自で定義したものなので参考程度に見てください)
| 段数 | 学んで欲しいこと |
|---|---|
| 1段 | Rubyで動くプログラムが書ける |
| 2段 | 分岐や繰り返し、メソッドが使えるようになる |
| 3段 | 重複のないコードが書けるようになる |
| 4段 | 良い命名ができるようになる |
| 5段 | クラスが使えるようになる |
| 6段 | オブジェクト指向らしいクラス設計ができるようになる |
| ・・・ | ・・・ |
やるべきこと
跳び箱を定義する
まずはあなたのいる環境(エンジニアの場合はプロジェクト)における、跳び箱を定義するところからです。定義がないと、「今何段飛べるのか」も「次の段数を飛ぶために何が必要なのか」もわからないからです。
できれば、同じ環境にいる同僚と作った跳び箱の定義を共有して、すり合わせをしてもいいかもしれません。
ちなみにフィヨルドブートキャンプには明確にこの「跳び箱」のような定義があるわけではないですが、メンター同士は毎月のミーティング等で「このプラクティスではこれくらいの段数を飛べるようになってほしいよね」というラインをある程度すり合わせています。
相手の実力を正しく把握する
跳び箱の定義ができたら、相手の実力を正しく把握します。実力を把握する手段として「その人がこれまで書いたコードを読んでみる」「試しにお題を出してレビューしてみる」「1 on 1をしてみる」といった方法があります。
新しくやってきた人が「何だかすごそうに見える」といった経験はないでしょうか?すごそうに見えるからと過度な期待をすると、実際のアウトプットがそのレベルに達していなかったときにギャップが生まれてしまいます。そのギャップは隠そうとしても口調や態度という形で表に出てしまいます。
勝手に期待値を上げないことが大事です。その人が今何段の跳び箱を飛べるのか、冷静に現状を把握しましょう。
適切なフィードバックをする
今飛べる段数がわかれば、飛べる段数を1段増やすようなフィードバックをします。フィードバックをする際、次のような点に気をつけています。
- 否定表現を避ける
- 「コードをDRYにできていません」よりも「コードをDRYにしてください」の方が少しポジティブに見えます。
- 理由を伝える
- 「ここを直してほしい」といったフィードバックだけだと、フィードバックを受けた側はそれを素直に受け入れられないかもしれません。
- 理由を添えることで、フィードバックを受けた側もムッとせずに受け入れやすくなります。
- 実践した先の未来を見せる
- 「理由を伝える」と少し似ていますが、そのフィードバックを実践した先に訪れる未来を見せることで、ポジティブにそのフィードバックを実践できます


できるようになったことを言語化して伝える
現実世界の跳び箱とは違って、エンジニアリングというものは自分のレベルが上がったことを実感しづらいです。フィードバックの結果、飛べる段数が1段増えたと感じたらそれを言語化して伝えるようにしましょう。

「跳び箱」をイメージできていないとどうなるか?
人間の脳は一度に1つのことにしか集中ができないと言われています。今2段の跳び箱を飛べる人に対して、「コードの重複をなくして」「命名がよくない」「クラスを使って」といった指摘を一度にするとパニック状態に陥ります。結果、どの指摘も直りきっていなかったり、成長を実感しづらくなったりといった問題が生じてしまいます。
1段ずつフィードバックすることで、問題を着実に解決しつつ、成長を実感してもらうことが大切です。
とはいえ、高い段数の跳び箱を飛べるようになってほしいことはある
例えばフィヨルドブートキャンプのボウリングのプラクティスでは、その生徒も最初の跳び箱でいうところの「4段」くらいまで飛べるように、フィードバックをしています。「現時点1段を飛ぶのがやっとだから、目標を2段引き下げる」といったことはスクールである以上できません。こういった場合、どうフィードバックしていくべきでしょうか?
自分の場合は、複数回レビューすることを前提に「フィードバックを1段上のものに絞る」ことにしています。再提出で1段上が飛べるようになったら、さらにもう1段上のフィードバックを返す、ということを繰り返して徐々に段数を引き上げていきます。あまりにも目標の段数が遠すぎる場合は、観点を分けて少しずつ目標に近づけていく旨を予め伝えることもあります。

これはある意味スクールだからこそとれる方法かもしれません。本業であれば早めに会話して、ペアプロやモブプロに切り替えることもあります。
終わりに
「跳び箱」のイメージ、伝わったでしょうか?
もし、「こういうメンターのもと、学習をしてみたいなあ」と感じた方は、ぜひフィヨルドブートキャンプへの入会をおすすめします。
また、「こういうリーダーのもと仕事をしてみたいなあ」と感じた方がもしいたら、こっそりDMをください 😄
明日がいよいよクリスマスです! みなさまにとって素敵な1日となることを願っています🎄