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学んだことを書き綴る、言わば航海日誌です。

関西の組込みエンジニアが福岡のWebエンジニアになった話

本記事は退職者 その2 Advent Calendar 2018の8日目の記事です。

7年半関西で組込エンジニアをしていましたが、1/15に退職しました。 1/16から福岡のベンチャー企業である株式会社Fusicでエンジニアをしています。

転職前に退職者アドベントカレンダーを熟読していました。なので、自分もなにか情報発信したいと思ったことと、もうすぐ入社から1年が経つにあたり転職の経緯を振り返りたいと思い、このエントリを書きます。

これまで何をしていたか?

高専の機械電気工学科を卒業して2010年から関西で組込みエンジニアをしていました。 担当していた案件は既存の製品の保守や機能追加がメイン、近年はマネジメントみたいなこともしていました。

業務の傍らETロボコン関西地区の実行委員をしていました。

なぜ転職したか?

理由は大きく2つ。

Webシステム・Webサービスを作る仕事をしてみたかった

イデアをすぐに形にしてユーザのフィードバックを得られ、高級言語フレームワークを活用したスピード感のある開発のできるWeb開発に憧れていました。趣味の延長でRedmineのプラグインを作ってみたり、mrubyのデバッガにプルリク出したりしていました。

一方、組込みは「モノが実際に動くところを見られる」という点が魅力的なのですが、自分のポジションがマネジメント寄りになるにつれ、その機会が減り魅力が薄れていました。また、Web開発とは対極的に、C言語での開発が基本でオープンソースの採用にも慎重なので、車輪の再発明を繰り返していました(もうリングバッファを実装したくない

最後の1年間は仕事を通じての技術的な成長もほとんど無く、危機感を感じていました。

週末を利用して地元に帰れるくらいの場所に住みたかった

私は山口県の出身で、就職を機に関西での生活がはじまりました。妻も山口県の出身で2015年と2017年に子供が生まれたこともあって、年に数回山口県へ帰省していました。

親に子供を見せる機会は多ければ多いほどいいなと思っていましたし、自分も妻も山口県という地域(特に食べ物)が好きなので、関西に住み続けるのは合理的でないなと感じていました。

どうやって転職したか?

2017年6月

リクルート転職エージェントに登録しました。 最初は希望勤務地を山口県に絞っていたこともあってほとんどオファーはありませんでした。

2017年8月

お盆に里帰りしたときに地元企業を訪問してみたり、転職フェア的なところに言ってみたりしました。結論、山口県内でITの仕事を見つけるのは非常に難しいと判断し、転職エージェントの希望勤務地に広島・福岡を追加しました。

結果、Fusicから声がかかり、Skype面接を受けました。

2017年9月

福岡へ来て面接。無事に内定を貰うことができました。

今のお仕事

大きく2種類の仕事をしています。

1. 自社サービスの開発

4月に公開した「Lab.Console」というサービスの立ち上げ、プロダクトオーナーをしています。 開発ではRuby on RailsAWS SDK for Rubyを使いました。

このサービスはAWSを大いに活用するものなのですが、自分自身これまでAWSを全く触ったことがなく、勉強しながらサービス開発を進めました。社内のメンバーにも助けられてなんとか公開に漕ぎ着けることができました。

console.labcloud.jp

今はプロダクトオーナーとして、サービスをどう成長させていくか考えたり、機能追加したりしています。ここ最近はAmazon Businessでのプリペイドカード(Lab.Consoleカード)販売開始に向けて準備を進めていました。

最近、AWSを使ったサービスの開発経験が活きて、AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナルを取得しました。

2. 受託開発

主に業務システムの受託開発をしています。これも基本的にはRuby on Railsを使っています。最近はフロントエンド側にVue.jsを使った開発も経験しました。 直近の案件では前職の経験を活かして、マネジメントにも挑戦しています。が、まだまだ技術的にもマネジメント的にも勘所をつかめておらず、これからキャッチアップしていきたいところです。

福岡に住んでどうだった?

よく言われることですが、食べ物が安くて美味しいです。「野菜は直売所がとても安い」と妻が言っていました。魚介類が食卓に並ぶことも転職前より増えた気がします。

エンジニアフレンドリーシティ福岡を見てもわかるように、行政としてもエンジニアのモチベーションを上げるまちづくりをしており、エンジニアにとって住心地の良い地域だと感じています。勉強会も探せばすぐ見つかりますし、福岡に住むエンジニア同士の交流も盛んです。ちなみに、RubyKaigi 2019は来年4月に福岡で開催予定です。

生活に必要なモノは天神・博多で一通り揃います。新幹線も博多で乗れますし、空港も伊丹や関空と違って近いです。まさにコンパクトシティ

サンテレビで甲子園中継が見られないことやFM802を聴けなくなったことが残念ですが、どちらもお金で解決できるので気にしなくて良いかと。ホークスが日本一になりましたが、阪神ファンは辞めてません。

そして何より地元が近い。妻の家族や友達も何度か週末を利用して遊びに来てくれましたし、週末に山口に帰ることも容易になりました。素晴らしい。

ベンチャーってどう?

一口にベンチャーと言っても会社によると思います。

Fusicにいて「自分は今ベンチャー企業にいるな」と実感することはあまり無いです。ただ、社内のエンジニアの目はいつもギラギラしていて、いい意味で競争意識を掻き立てられます。

社内のコミュニケーションツールにSlackを使っていて、情報がオープンです。これは仕事に限らず、趣味について情報共有するチャンネルも多数(むしろそっちが多い)です。

入社ほやほやな自分がプロダクトオーナーという裁量の大きいポジションにいる点もある意味ベンチャーらしいかもしれません。

誰かが何かを「やりたい!」と声を上げた時、それが形になるまでのスピード感が速いです。Fusicの20の信条でいうところの「チャンスは平等である」ですね。

今後やりたいこと

  • サービスを成長させたい。
  • Webと組込みを融合させたシステムまたはサービスを立ち上げたい。

まとめ

淡々と書きましたが、実際には転職するまでとても悩みましたし、アドベントカレンダーの各エントリを何度も何度も読んでいました。

技術ドメインも住む場所も変えた転職でしたが、現時点では満足していますし全く後悔していません。

同じように転職を考えている人の参考になれば幸いです。